FXや仮想通貨における代表的な売買サインに、ゴールデンクロス、デッドクロスという考え方があります。特に、ゴールデンクロスという名称は、FXトレーダーであれば誰もが聞いたことがあるのではないでしょうか。今回は、そのゴールデンクロスとデッドクロスについて解説します。
FXにおけるゴールデンクロス(Golden Cross)
(画像1)ゴールデンクロス
ゴールデンクロスとは、長期移動平均線を、下から上に向けて短期移動平均線が突破した状況のこと。正確には、長期移動平均線と短期移動平均線が交差した状況をゴールデンクロスと言います。
ゴールデンクロスは、FXや仮想通貨のテクニカル分析における代表的な買いシグナルの1つ。下落してきた価格が、上昇に転じたことを意味します。短期移動平均線が右肩上がりで、その角度が急であるほど、綺麗な形状のゴールデンクロスになります。
画像1においては、長期移動平均線である75SMA(単純移動平均線)を、短期移動平均線である20SMAが上抜けした部分をゴールデンクロスと呼びます。
ゴールデンクロスを根拠にトレードをする場合
画像1において、Aの位置でゴールデンクロスが発生しています。ゴールデンクロスを根拠にトレードする場合は、ゴールデンクロスが発生した為替レートでロング(買い)のエントリーをします。
画像1は、ドル円の日足のチャートになりますので、ゴールデンクロスが形成された翌日もしくは翌々日にエントリーすることになるでしょう。
ゴールデンクロスを根拠にロングを仕掛けた場合、短期移動平均線が長期移動平均線を割り込んだら、決済します。ここでの決済とは、利益確定の場合、損切りの場合、両方を指します。ちなみに画像1ではBの部分を指します。
FXにおけるデッドクロス(Dead Cross)
(画像2)デッドクロス
デッドクロスとは、長期移動平均線を、上から下に向けて、短期移動平均線が突破した状況のこと。正確には、長期移動平均線と短期移動平均線が交差した状況をデッドクロスと言います。
デッドクロスは、FXや仮想通貨のテクニカル分析における代表的な売りシグナルの1つ。上昇してきた為替レートが、下落に転じたことを意味します。短期移動平均線が右肩下がりで、その角度が急であるほど、綺麗な形状のデッドクロスになります。
画像2においては、長期移動平均線である75SMA(単純移動平均線)を、短期移動平均線である20SMAが下抜けした部分をデッドクロスと呼びます。
デッドクロスを根拠にトレードをする場合
画像2において、Aの位置でデッドクロスが発生しています。デッドクロスを根拠にトレードする場合は、デッドクロスが発生した為替レートでショート(売り)のエントリーをします。
画像2は、ドル円の日足のチャートになりますので、デッドクロスが形成された翌日もしくは翌々日にエントリーすることになるでしょう。
デッドクロスを根拠にショートを仕掛けた場合、短期移動平均線が長期移動平均線を上抜けしたら、決済します。ここでの決済とは、利益確定の場合、損切りの場合、両方を指します。ちなみに画像2ではBの部分を指します。
FXにおけるゴールデンクロスやデッドクロスの移動平均線の設定
上記の通り、ゴールデンクロスやデッドクロスでは、短期移動平均線と長期移動平均線を使います。ここで気になることと言えば、短期移動線と長期移動平均線の設定パラメータ。結論から言えば正解はなく、トレーダーの好みで設定していただければ構いませんが、一例をご紹介します。
世間一般で使われている移動平均線の設定
以下は、ゴールデンクロスやデッドクロスの判断基準としてよく使われる移動平均線の設定です。
ゴールデンクロスやデットクロスは、元々は株式相場から発生した売買サインなので、株式相場の名残があります。株式とFXではトレードできる時間帯が異なるので、本来であれば設定を変えるべきかと思いますが、以下の設定でも十分機能します。
時間足 | 短期移動平均線 | 長期移動平均線 |
---|---|---|
週足 | 13SMA | 26SMA |
日足(有名な設定) | 50SMA | 200SMA |
日足 | 20SMAもしくは25SMA | 75SMA |
4時間足以下 | 20SMA | 75SMA |
個人的によく使う移動平均線の設定
渋沢諭吉先生の場合、全ての時間足において、短期移動平均線は20EMA、長期移動平均線は75EMAの設定でチャート分析をしています。
EMA(指数平滑移動平均線)は、SMAに比べて直近の為替レートを重視した移動平均線です。ゴールデンクロスやデッドクロスが早く反応する傾向があるため、ポンド円や仮想通貨など、ボラティリティが大きい通貨ペアに対して特に使いやすい設定だと考えます。
ゴールデンクロスやデッドクロスの欠点
ゴールデンクロスやデッドクロスを探知できるようになると、FXや仮想通貨のトレードにおいて優位性が得られます。また、トレンドが発生する場合は、利益を伸ばしやすい傾向にあります。
しかしながら、ゴールデンクロスやデッドクロスには、大きく2つの欠点があります。
1つ目の欠点は、短期の時間足のトレードの場合、ゴールデンクロスやデッドクロスを用いたトレードは向いていない点。短期の時間足においては、移動平均線の設定にもよりますが、頻繁にゴールデンクロスやデッドクロスが発生します。実際にトレードしてみると分かりますが、頻繁にゴールデンクロスやデッドクロスが発生すると、利益が得られにくく稼ぎにくいためです。
2つ目の欠点は、ゴールデンクロスやデッドクロスを用いたトレードは、レンジに弱いという点です。レンジ帯の場合、ゴールデンクロスやデッドクロスが頻繁に発生します。レンジは、一定の値幅を行ったり来たりする相場を指すため、レンジ帯においては、ゴールデンクロスやデッドクロスを根拠にしたエントリーは、頻繁に損切りに合います。
従って、FXや仮想通貨の実践トレードでは、ゴールデンクロスやデッドクロスのみを根拠にしたトレードは条件が限られます。長期トレードであれば使える場面もありますが、基本的には、他のテクニカル分析を組み合わせてトレードするのが良いでしょう。
ゴールデンクロスとデッドクロスに関する動画
youtubeチャンネル でもゴールデンクロスとデッドクロスに関する動画を公開もしています。
コメント
コメント一覧 (1件)
[…] の長期線を短期線が上から下に抜いて、レートが下落した場合に、ショート(売り)でエントリーします。いわゆるゴールデンクロス・デッドクロスの状態が成立している状態になります。 […]