FXや仮想通貨をトレードする上で、最も重要なことの1つに、「大衆心理を読み解く」というものがあります。なぜ大衆心理を読み解く必要があるかといえば、今チャートを見ているその瞬間にも、そのチャートの向こう側には、世界中のトレーダーがいるからです。チャートとは、大衆の考えの集約です。市場参加者が何を考えてトレードしているかを考えながら、トレードするのが正解なのです。
参加者の思惑の表れがFXのチャートを形成する
(画像1)チャート内の心理状況の画像
FXや仮想通貨や株など、チャートを形成するものには、様々な参加者がいます。
FXや仮想通貨などの取引を生業としている個人投資家、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)などの機関投資家など、様々な人達が、各々の思惑をもとに投資しています。そして、ほとんどの人達は、利益を出すことを目的に参加しています。
この利益を出すという目的を持ってトレードしているというのが重要。つまり、市場参加者は損失は極力抑えたいため、多くのトレーダーは損切りを設定した上で投資を行っているのです。
チャート内の心理状況の具体例
上の画像(画像1)のA部分をご覧ください。
市場参加者の多くが新規の「買いポジション」を持つことにより、レートが上昇してきました。画像1の左側の青丸部分に達すると、「買いポジション」を持ったトレーダーの利益確定が始まります。「買いポジション」の利益確定は、売りを意味するため、「買いポジションの利益確定」と「新規の買いポジション」が衝突し、「買い勢力と売り勢力が拮抗」するのです。
この後、「売り勢力が勝利」したため、レートは下落しました。それが、画像1のB部分です。
画像1のA部分から「買いポジション」を持ったままのトレーダーは、自らの利益を確保するため、自らが買いポジションを持ったレートよりもやや高いところで利益確定をします。「買いポジション」の利益確定は売りを意味するので、ずるずるとレートは下がっていきます。もちろん、新規で「売りポジション」を持つトレーダーも出てくるので、レートは更に下落します。
次に、ある一定のレートまで下がってくると、画像1のB部分で新規で「売りポジション」を持ったトレーダーが利益確定をしてます。「売りポジション」の利益確定は買いを意味します。また、画像1のA部分でロングを入れそびれたトレーダーも新規で「買いポジション」を持ちます。従って、ここでも「売り勢力と買い勢力のバトル」が発生します。それが画像1の右側の青丸部分になります。
結果は、「買い勢力が勝利」しました。すると、レートは上がっていきます。
今度は、画像1のB部分で「売りポジション」を持ったトレーダーが、自らの売りポジションよりもやや低いレートで利益確定をします。「売りポジション」の利益確定は買いなので、価格は上昇します。同時に、新規の買いも入ってくるため、レートは上昇します。
最後に、「売りポジション」をまだ決済していないトレーダーは、直近の高値(画像1のAとBの間の高値)より上に損切りラインを設定していることが多く、「売りポジション」の損切りは買いを意味するため、損切りによるレート上昇が発生するのです。
このようにチャートを見ただけで、市場参加者の考えを読み解くのが重要なのです。
実際のチャートにおける大衆心理の見方
(画像2)チャートに隠された大衆心理の画像
上の画像(画像2)をご覧ください。
これは、2020年3月~6月におけるEUR/JPY(ユーロ円)の4時間足チャートです。単なるローソク足のチャートですが、チャートを見れば、そこに参加している人達の気持ちを読み解くことが可能です。
まずは、買い目線のトレーダーの立場になって考えてみましょう。
買い目線のトレーダーは、ダウ理論を根拠として、転換サインである青色矢印付近で、ロングのエントリーを行うと考えられます。
次に、売り目線のトレーダーの立場になって考えてみましょう。
画像2のCでショートのポジションを持ったトレーダーは、直近の高値であるXの少し上に損切りラインを置いている可能性が高いと考えられます。
画像2のBでショートのポジションを持ったトレーダーは、直近の高値であるYの少し上に損切りラインを置いている可能性が高いと考えられます。
画像2のAでショートのポジションを持ったトレーダーは、直近の高値であるZの少し上に損切りラインを置いている可能性が高いと考えられます。
つまり、画像2のAより後の時間では、Zを超えた位置・Yを超えた位置・Xを超えた位置にショートポジションの損切り(つまり買い)があり、Zを少し超えたレートには新規の買いも重なり、損切りを巻き込みながら価格が急騰したのです。
このように、実際のチャートを見れば、その時の参加者の心理状況を読み解くことができます。逆に言えば、実際のチャートにおいて、どの位置にストップが溜まっていて、どの位置を超えるとレートが動きそうかという予測を立てることが可能になります。
FXトレードする時は大衆心理を必ず考える
いついかなる時であっても、チャートの向こう側で、あなたと同じようにチャートと向き合っている人達がいることを考えながら、FXや仮想通貨のトレードをしなければなりません。
FXとは、一説には9割以上の人達が退場すると言われていますが、その狭き門の中でも勝ち続ける人達は存在します。
そして、勝ち続けている人が、過去のチャートを形成してきた主役であり、その人達は現在のチャートの向こう側であなたと同じようにチャートと向き合っています。
つまり、過去のチャートで出現した傾向は、現在のチャートでも適用でき、未来のチャートを予測する術になっています。その予測と、更には、チャート内で起こっている大衆心理を組み合わせれば、有利にトレードすることが可能なのです。
テクニカル分析を覚えるのも良いですが、まずは、大衆心理について理解をするのが、FXや仮想通貨のスタートラインだと渋沢諭吉は考えます。
FXトレードの大衆心理に関する動画
youtubeチャンネル でもFXのチャートにおける大衆心理に関する動画を公開もしています。
コメント
コメント一覧 (1件)
[…] チャートとは、市場に参加している人達の心理の表れだと考えます。このダウ理論第3法則は、実際のトレードにはあまり役立たないので、頭の片隅に入れておく程度で良いと思います。 […]