FXや仮想通貨のチャートパターンの中に、スパイクハイ(スパイクトップ)とスパイクロー(スパイクボトム)という特徴的なチャートパターンがあります。長期足、短期足問わずに、しばしば発生する重要なチャートパターンの1つです。判断基準が難しいチャートパターンですが、このページではスパイクハイやスパイクローの実践的な使い方について解説します。
FXにおけるスパイクハイ(スパイクトップ)とは
(画像1)スパイクハイ
スパイクハイ(スパイクトップ)とは、FXや仮想通貨のチャートで、天井で発生する独特な反転示唆のチャートパターン。逆V字の形状を取ります。緩やかな上昇後に急騰し、その直後に急落するという激しい値動きを取るのが特徴です。長期足や短期足問わずに発生し、特に過熱相場における最後の値動きに発生しやすい傾向があります。後からチャートを眺めれば、「この箇所はスパイクハイだよね」と気づきやすいのですが、チャート形成中にスパイクハイに気付くのは経験が必要です。
スパイクハイ根拠のエントリーポイント
(画像2)スパイクハイのエントリーポイント
スパイクハイを根拠にエントリーする場合は、ネックラインをブレイクダウン(下抜け)したレートで、ショート(売り)のエントリーをします。ブレイクダウン直後にエントリーする必要があります。スパイクハイ形成中にネックラインを確定させるのは、トレード経験がある程度必要なのでご注意ください。
スパイクハイ根拠の利益確定ライン
「スパイクハイの高値からネックラインまでの値幅」と同じ値幅だけ、ネックラインから安いレートが、スパイクハイ根拠の利益確定ラインになります。
スパイクハイ根拠の損切りライン
スパイクハイの高値(画像2のA)を上抜けしたレートが、損切りラインになります。
スパイクハイのFXにおける特徴
FXにおけるスパイクハイは、上値が重いけど、最後の上昇の一押しが必要という場面で発生する傾向があります。また、あや戻しの際もスパイクハイは発生しやすい傾向があります。5分足や15分足といった短期足の場合、スパイクトップは、画像1のチャート図で示した通りの形状を取りやすいです。しかし、1時間足や4時間足に変えると、ローソク足実体が長くなっていたり、ピンバーになっていたりするので、見極めが重要です。
スパイクハイ根拠のエントリーの場合、利益確定ラインはネックラインの値幅で決めるのが教科書通りの考え方ですが、実践的にはサポートラインで利益確定した方が良いと、当サイトでは考えます。理由としては、スパイクハイの形状の認知は少し難易度が高く、市場参加者の認識具合が低い可能性があるためです。
スパイクハイ(スパイクトップ)が発生している実際のFXチャート
(画像3)ポンド円におけるスパイクハイ
画像3は、2024年1月18日~1月22日におけるポンド円15分足のチャートです。Aがスパイクハイで、赤色の水平線がネックラインになります。T/P(利益確定ライン)まで到達していることが分かります。
(画像4)スパイクハイのもう1つのネックライン
画像4は、2024年1月16日~1月26日におけるポンド円30分足のチャートです。画像3とネックラインの引き方を変えてみましたが、このネックラインの引き方でもスパイクハイが成立しています。この場合、T/P(利益確定ライン)に到達はしていますが、少し時間がかかっているのが分かります。
(画像5)長期足に変えた時のピンバー
画像5は、画像3や画像4を日足で表示したチャートです。赤色の矢印付近がスパイクハイの発生箇所になります。日足のような長期足でスパイクハイを表示すると、ピンバーになっていることが、このチャートからも分かります。
FXにおけるスパイクロー(スパイクボトム)とは
(画像6)スパイクロー
スパイクロー(スパイクボトム)とは、FXや仮想通貨のチャートで、底値で発生する独特な反転示唆のチャートパターン。V字の形状を取ります。緩やかな下落後に急落し、その直後に急騰するという激しい値動きを取るのが特徴です。長期足や短期足問わずに発生し、特に強い下落相場における最後の値動きに発生しやすい傾向があります。後からチャートを眺めれば、「この箇所はスパイクローだよね」と気づきやすいのですが、チャート形成中にスパイクローに気付くのは経験が必要です。
スパイクロー根拠のエントリーポイント
(画像7)スパイクローのエントリーポイント
スパイクローを根拠にエントリーする場合は、ネックラインをブレイクアウト(上抜け)したレートで、ロング(買い)のエントリーをします。ブレイクアウト直後にエントリーする必要がありますが、値動き次第では画像7のようにネックラインのサポート試しを確認した後のエントリーでも構いません。スパイクロー形成中にネックラインを確定させるのは、トレード経験がある程度必要なのでご注意ください。
スパイクロー根拠の利益確定ライン
「スパイクローの安値からネックラインまでの値幅」と同じ値幅だけ、ネックラインから高いレートが、スパイクロー根拠の利益確定ラインになります。
スパイクロー根拠の損切りライン
スパイクローの安値(画像7のA)を上抜けしたレートが、損切りラインになります。
スパイクローのFXにおける特徴
FXにおけるスパイクローは、値動きが底堅いけど、最後の下落の一押しが必要という場面で発生する傾向があります。ポンド円のようなボラティリティが大きな通貨ペアの場合は、この最後の一押しの値幅が大きいので注意が必要です。5分足や15分足といった短期足の場合、スパイクローは、画像6のチャート図で示した通りの形状を取りやすいです。しかし、1時間足や4時間足に変えると、ピンバーや包み足のローソク足パターンを取ることが多いので、見極めが重要です。
スパイクロー根拠のエントリーの場合、利益確定ラインはネックラインの値幅で決めるのが教科書通りの考え方ですが、実践的にはレジスタンスラインで利益確定した方が良いと、当サイトでは考えます。理由としては、スパイクローの形状の認知は少し難易度が高く、市場参加者の認識具合が低い可能性があるためです。
スパイクロー(スパイクボトム)が発生している実際のFXチャート
(画像8)ユーロドルにおけるスパイクロー
画像8は、2024年3月7日~3月8日におけるユーロドル3分足のチャートです。Aがスパイクローで、赤色の水平線がネックラインになります。T/P(利益確定ライン)まで到達していることが分かります。
(画像9)長期足に変えた時のアウトサイドバー(包み足)
画像9は、画像8を1時間足で表示したチャートです。赤色の円形部分がスパイクローの発生箇所になります。1時間足でスパイクローの箇所を表示すると、包み足になっていることが、このチャートからも分かります。
スパイクハイやスパイクローをFXの実践トレードで使う際のアドバイス
(画像10)スパイクローの弱いバージョン
画像10のように、急騰は発生していないがV字形状を取るチャートパターンは、弱い波動を持つスパイクローとして判断します。
スパイクハイやスパイクローは、チャートを後から見返せば分かりやすいチャートパターンですが、トレード中に気付くのは難易度が高いものです。従って、FXの実践的なトレード目線で、形成途中のスパイクハイやスパイクローに気付くための着目点を解説します。
スキャルピングやデイトレードにおいて、正時に急騰や急落が発生したら、スパイクハイやスパイクローの反転示唆を強く疑います。
スパイクハイの最後の急騰や、スパイクローの最後の急落には、強いエネルギーを使います。そして、それらの反転にも強いエネルギーを使います。例えば、55分頃から急騰、00分(正時)から急落に変わったら、ネックラインをブレイクダウンする前でも、スパイクハイの形成途中を強く疑います。
スパイクハイの高値が上位足のレジスタンスにタッチした場合、スパイクローの安値が上位足のサポートラインにタッチした場合は、形成途中でもスパイクハイやスパイクローが成立する可能性が極めて高くなったと判断します。
スパイクハイの高値到達までの最後の値動き、スパイクローの安値到達までの最後の値動きは、少し無理をした値動きをします。その少し無理をした値動きで、上位足のレジスタンスやサポートラインに到達した場合、それはスパイクハイやスパイクローの可能性が極めて高くなったと判断します。少し無理をした値動きで、レジスタンスやサポートラインに到達したのであれば、それらを突破できる波動の力が足りないためです。
含み益が出ている最中に、スパイクハイやスパイクローのような値動きを探知したら、利益確定の判断基準に使用します。
スパイクハイやスパイクローは、急落や急騰が生じやすいチャートパターンです。含み益を吹っ飛ばすだけの波動の力があるので、スパイクハイやスパイクローのような値動きを見たら、一部でも利益確定をすることを推奨します。
逆張りの際は、スパイクハイやスパイクローをエントリー根拠の1つとして取り扱います。(スパイクハイやスパイクローのみのエントリーは避けた方が良い)
スパイクハイは、上昇トレンド中に発生する反転示唆のチャートパターンです。スパイクローは、下降トレンド中に発生する反転示唆のチャートパターンです。つまり、スパイクハイやスパイクローを根拠にエントリーする場合は、逆張りトレードになります。スパイクハイやスパイクローのチャートパターンは、形成途中の認知が難しいため、スパイクハイやスパイクローのみの根拠ではなく、例えば上位足のサポートライン・レジスタンスラインや、移動平均線の接触など、複数の根拠でFXトレードをすることを推奨します。
スパイクハイ(スパイクトップ)・スパイクロー(スパイクボトム)に関するFXの動画
youtubeチャンネル でもチャートパターンに関する動画を公開もしています。
スパイクハイ・スパイクロー以外のFXチャートパターン一覧
FXで使えるチャートパターン一覧を学びたい場合は、以下をご覧ください。
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