TelegramでFXや仮想通貨の役に立つ情報を不定期配信中。是非ご登録ください。

ソーサートップとソーサーボトム【FXの有名チャートパターンVol.4】

ソーサートップとソーサーボトムのアイキャッチ画像

天井圏で発生しやすいソーサートップと、底値圏で発生しやすいソーサーボトムと呼ばれるFXのチャートパターンがあります。FX初心者には少し認識しにくいチャートパターンであり、あまり有名でないチャートパターンでもあります。しかし、反転型チャートパターンとして知っておけば、FXトレードで有利になります。このページでは、ソーサートップやソーサーボトムの特徴、エントリーポイント、利益確定ライン、損切りラインなどを詳しく説明しています。

目次

ソーサートップとは

ソーサートップの画像

(画像1)ソーサートップ

ソーサートップとは、主に天井圏で発生する反転型チャートパターンの1つ。チャートパターンの形状が、ソーサー(saucer/日本語訳は「皿」)に似ていることから、ソーサートップと呼ばれています。

画像1をご覧ください。高値圏において、高値を少しずつ更新していき、その後に高値を少しずつ切り下げているのが分かります。この高値の形が、皿のような形になっているのです。

高値圏において、一定のレート以上の安値を維持します。この安値を直線で結ぶと、それがネックラインになります。

ソーサートップのプラットフォームの画像

(画像2)ソーサートップのプラットフォーム

画像2のように、ネックラインをブレイクダウン(下抜け)した後に、プラットフォームと呼ばれるレンジ圏を構成するパターンもあります

ソーサートップ根拠のエントリーポイント

ソーサートップのエントリーは、ネックラインをブレイクダウンした段階で、ショート(売り)のエントリーをします。チャートの形状によっては、ネックラインをブレイクダウンした後に、プラットフォームを形成する場合もあります。この場合は、プラットフォームの安値を下抜けした段階で、ショート(売り)のエントリーをすると良いでしょう。

ソーサートップ根拠の利益確定ライン

「ソーサートップの高値からネックラインまでの値幅」と同じだけ、ネックラインから安いレートが、ソーサートップ根拠のトレードの利益確定ラインになります。

ソーサートップ根拠の損切りライン

ソーサートップの高値を上抜けしたら、損切りになります。

FXにおけるソーサートップ形成のメカニズム

高値切り上げの画像

(画像3)高値切り上げ

画像3をご覧ください。これは上昇トレンド中のチャート図で、少しずつ高値を切り上げている状態を表しています。

高値切り下げの画像

(画像4)高値切り下げ

その後、少しずつ高値が切り下がってきました。これが、画像4。高値Aを上抜けする、Cへの波動の起点になったBが、押し安値です。Bより高いレートなので、ダウ理論が根拠で、上昇トレンドは継続中だと言えます。

ソーサートップ成立の画像

(画像5)ソーサートップ成立

しかし、画像5では、押し安値であったBのレートをブレイクダウンしました。これはトレンドの反転を意味し、このチャートパターンこそが、ソーサートップなのです

ソーサートップが形成されているFXの実際のチャート

ユーロ円15分足の画像

(画像6)ユーロ円15分足のチャート(2024年2月29日~3月7日)

画像6は、実際のFXのチャート(ユーロ円15分足)です。チャート内に青色の曲線を追記していますが、この部分がソーサートップで、赤色の水平線がネックラインになります。ネックラインは、3ケ所ある黒い丸からも分かる通り、抵抗体として機能しているラインです。このソーサートップにおける利益確定ラインは、T/Pという記載がある赤色の水平線になります。ソーサートップ形成後に、利益確定ラインまで到達しているのが分かります。

このユーロ円のチャートには、複数のソーサートップが出現しています。上記の解説は、そのうちの1つのパターンになります。

ユーロ円5分足の画像

(画像7)ユーロ円5分足のチャート(2024年3月4日~3月5日)

画像7は、実際のFXのチャート(ユーロ円5分足)です。画像6の赤色の矢印部分を拡大したチャートになります。この画像7においても、青色の曲線が示す通りソーサートップは発生しており、ネックラインとT/P(利益確定ライン)に水平線を引くことができます。

つまり、画像6におけるソーサートップの高値においても、小さなソーサートップが形成されているのです。この構造をフラクタル構造と呼びます。ソーサートップを含めたチャートパターンでは、フラクタル構造が出現することが多いので、覚えておきましょう

FXにおけるソーサートップ形成中の見極め方

FXにおいて、ソーサートップがチャート上で形成されている最中に見極める方法を2つ紹介します

【ソーサートップの見極め方その1】上位足のレジスタンス判断

ユーロ円1時間足の画像

(画像8)ユーロ円1時間足のチャート(2023年8月18日~8月23日)

画像8は、ユーロ円1時間足の実際のチャートです。ソーサートップが形成されていることが分かります。ソーサートップが形成されている最中に、その値動きがソーサートップ形成の値動きであるか判断する基準として、上位足のレジスタンスが役立ちます。

赤色の矢印で示した、赤色の水平線がそのレジスタンスです。レジスタンスで上値が抑えられている中で、ソーサートップのような値動きをしたら、ソーサートップ形成途中であると見極められる可能性が極めて高くなるのです。

ユーロ円日足の画像

(画像9)ユーロ円日足のチャート(2007年2月~9月)

画像8の赤色の水平線を2007年まで遡ってみると、画像9の黒色の丸で示した通り、サポートやレジスタンスとして機能していることが分かります。そして、一番右の黒色の丸で示したサポートラインを2007年に割った後、レジスタンス試しに戻ってきたレートが、画像8のレートなのです。

【ソーサートップの見極め方その2】移動平均線で判断

ユーロ円15分足のチャート画像

(画像10)ユーロ円15分足のチャート(2024年2月29日~3月7日)

ソーサートップは、徐々に高値を切り上げ、その後に徐々に高値を切り下げるという特徴があります。FXにおいて、そのような値動きを如実に反映できるものと言えば、EMA(指数平滑移動平均線)です。

画像10をご覧ください。赤色の曲線が20EMAです。ソーサートップの一番高値付近で、以下の2つの条件が満たされた時、ソーサートップ形成途中である可能性が高くなります

20EMAの角度が水平に近い角度になること

ローソク足の実体が、最初は20EMAより上だったが、途中から20EMAより下になること

当サイトでは、20EMAを判断基準に使うことを推奨します。

ユーロ円5分足のチャート画像

(画像11)ユーロ円5分足のチャート(2024年3月4日~3月5日)

画像10は、15分足のユーロ円のチャートです。そのフラクタル構造である5分足のチャート(画像11)で見ても、同じように20EMAの角度が水平に近い角度になっています。そして、最初は20EMAより上だったローソク足の実体が、途中から20EMAより下になっていることが分かります

ソーサーボトムとは

ソーサーボトムの画像

(画像12)ソーサーボトム

ソーサーボトムとは、主に底値圏で発生する反転型チャートパターンの1つ。ソーサートップと同様に、チャートパターンの形状が、ソーサー(皿)に似ていることから、ソーサーボトムと呼ばれています

画像12をご覧ください。底値圏において、安値を少しずつ更新していき、その後に安値を少しずつ切り上げているのが分かります。この安値の形が、皿のような形になっているのです。

ソーサーボトム根拠のエントリーポイント

ソーサーボトムのエントリーは、ネックラインをブレイクアウト(上抜け)した段階で、ロング(買い)のエントリーをします。ブレイクアウトした後に、プラットフォームを形成することが多いので、プラットフォームを上抜けしてからロング(買い)のエントリーをした方が安全です。

ソーサーボトム根拠の利益確定ライン

「ソーサーボトムの安値からネックラインまでの値幅」と同じだけ、ネックラインから高いレートが、ソーサーボトム根拠のトレードの利益確定ラインになります。

ソーサーボトム根拠の損切りライン

ソーサーボトムの安値を下抜けしたら、損切りになります。

FXにおけるソーサーボトム形成のメカニズム

安値切り下げの画像

(画像13)安値切り下げ

画像13をご覧ください。これは下降トレンド中のチャート図で、少しずつ安値を切り下げている状態を表しています。

安値切り上げの画像

(画像14)安値切り上げ

その後、少しずつ安値が切り上がってきました。これが、画像14。高値Aを下抜けする、Cへの波動の起点になったBが、戻り高値です。Bより安いレートなので、ダウ理論が根拠で、下降トレンドは継続中だと言えます。

ソーサーボトム成立の画像

(画像15)ソーサーボトム成立

しかし、画像15では、戻り高値であったBのレートをブレイクアウトしました。これはトレンドの反転を意味し、このチャートパターンこそが、ソーサーボトムなのです

ソーサーボトムが形成されているFXの実際のチャート

ユーロドル日足のチャート画像

(画像16)ユーロドル日足のチャート(2024年)

ソーサーボトムは、上位足のサポート付近や移動平均線付近で形成されることが多いチャートパターンです。画像16をご覧ください。これはユーロドル日足のチャートです。青色の曲線は75SMAですが、現在のユーロドルのレートは、75SMAと接触している状態です。

SMAとは、単純移動平均線を意味します。

ユーロドル30分足のチャート画像

(画像17)ユーロドル30分足のチャート(2024年3月15日~3月18日)

画像16を30分足で表示したチャートが、画像17です。ご覧の通り、ソーサーボトムが発生しており、ソーサーボトム根拠のT/P(利益確定ライン)にも、レートが到達していることが分かります。ソーサーボトムは、下落後に移動平均線でサポートされる時にも発生しやすいという特徴があります

FXにおけるソーサーボトム形成中の見極め方

FXにおいて、ソーサーボトムがチャート上で形成されている最中に見極める方法を3つ紹介します。3つあるソーサーボトムの見極め方のうち、2つは、ソーサートップの見極め方のソーサーボトム版です。

【ソーサーボトムの見極め方その1】上位足のサポート判断

上位足のサポートラインで下落が止められている中で、ソーサーボトムのような値動きをしたら、ソーサーボトム形成途中であると見極められる可能性が極めて高くなります

【ソーサーボトムの見極め方その2】移動平均線で判断

ソーサーボトムの一番安値付近で、以下の2つの条件が満たされた時、ソーサーボトム形成途中である可能性が高くなります

20EMAの角度が水平に近い角度になること

ローソク足の実体が、最初は20EMAより下だったが、途中から20EMAより上になること

当サイトでは、20EMAを判断基準に使うことを推奨します。

【ソーサーボトムの見極め方その3】孤の描き方が綺麗かどうかで判断

ビットコインキャッシュ30分足のチャート画像

(画像18)BCH/USDT30分足のチャート(2023年1月20日~1月21日)

画像18は、仮想通貨のビットコインキャッシュ(BCH/USDT)のチャートです。黒色の四角形で囲った部分がソーサーボトムになります。このソーサーボトムは、形が綺麗だと言えます

ビットコインキャッシュ1時間足のチャート画像

(画像19)BCH/USDT1時間足のチャート(2023年1月20日~1月21日)

1時間足(画像19)に変えてみましょう。ここで、ソーサーボトムに孤を描くと、ローソク足の上下のヒゲが、綺麗に孤の範囲に収まっているのが分かります。このように、綺麗な孤を描ける時は、形成途中でもソーサーボトムの可能性が極めて高くなります

ソーサートップとソーサーボトムに関する補足事項

ソーサートップやソーサーボトムの発生は、FXにおいては時間足は気にしなくて良いと考えます。ソーサートップやソーサーボトムは、長期足・短期足関係なく、天井圏や底値圏で発生しやすいチャートパターンです。

しかし、チャートの形状が識別しにくいという欠点があるため、おおまかな形状だけ覚えておいて、サポート・レジスタンスや、20EMAとの組み合わせを判断材料にすると良いでしょう。そして、FXトレードの他のエントリーシグナルの補足に使うと良いと思います

ソーサートップ・ソーサーボトムに関するFXの動画


【FXや仮想通貨のチャートパターンVol.4】ソーサートップ・ソーサーボトム

youtubeチャンネル でもチャートパターンに関する動画を公開もしています。

この動画は、渋沢諭吉のFXノートのYasuが担当した動画です。

ソーサトップ・ソーサーボトム以外のFXチャートパターン一覧

FXで使えるチャートパターン一覧を学びたい場合は、以下をご覧ください。

あわせて読みたい
FXで使えるチャートパターン一覧(28種類) FXや仮想通貨や株で使える有名なチャートパターン28種類を一覧にし、それらのパターンをまとめました。各チャートパターンのエントリーポイント、利益確定ライン、損切りラインも知ることができるページです。
【保存版】FXで使えるチャートパターン一覧(28種類)
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次