FXや仮想通貨のチャートを表示する時、多くの方は、ローソク足でチャートを表示しているのではないでしょうか。FX市場に参加している人達の損失が、己のFXの利益に繋がると言っても過言ではないため、多くの方が見ているであろうローソク足を分析することは重要だと言えます。このページでは、FXや仮想通貨のローソク足に焦点を絞った上で、解説いたします。
FXや仮想通貨トレードにおけるローソク足とは
(画像1)ローソク足のチャート
ローソク足とは、特定の期間における為替レートの値動きを表現した図。その形状が、誕生日ケーキなどで使われる蝋燭(ロウソク)の形に似ていることから、ローソク足と呼ばれるようになりました。
ローソク足は、元々日本で考案されたものです。しかし、ローソク足を使ったチャートは、海外でもCandlestick Chart(キャンドルスティックチャート)という名称で広く認知されています。
上の画像(画像1)が、ローソク足で表示したチャートです。世界中の多くのFXトレーダーや仮想通貨トレーダーが、ローソク足で表示されたチャートを見て、FXや仮想通貨取引を行っています。
ローソク足の実体とヒゲについて
画像2(ローソク足の実体とヒゲ)
ローソク足は、「実体」と呼ばれる部分と、「ヒゲ」と呼ばれる部分で構成されています。「実体」が存在しなかったり、「ヒゲ」が存在しないローソク足も稀に存在しますが、原則として、ローソク足には、「実体」と「ヒゲ」があると考えてください。
上の画像(画像2)をご覧ください。画像2のように、長方形で表された部分をローソク足の実体と呼び、ローソク足の実体から先端に出ている直線をローソク足のヒゲと呼びます。
上側に出ているヒゲを上ヒゲと呼び、下側のヒゲを下ヒゲと呼びます。また、上ヒゲの一番上の部分や下ヒゲの一番下の部分を、ヒゲの先端と呼びます。
ローソク足が表現している意味
画像3(ローソク足の意味)
ローソク足には、陽線(ようせん)と呼ばれるものと、陰線(いんせん)と呼ばれるものがあります。
例えば、1時間足(1本のローソク足が1時間の値動きを表したもの)があるとします。スタートのレートを始値(はじめね)と言い、その59分59秒後のレートを終値(おわりね)と言いますが、始値よりも終値の方が高い場合を陽線と呼びます。逆に、始値よりも終値の方が安い場合を陰線と呼びます。
上の画像(画像3)をご覧ください。ローソク足とは、上ヒゲの先端がその時間足の高値、下ヒゲの先端がその時間足の安値を指します。陽線の場合、ローソク足の実体の下限が始値、上限が終値。陰線の場合、ローソク足の実体の上限が始値、下限が終値になります。
このことから、ローソク足を見れば、その時間足の始値・終値・高値・安値が分かるのです。
ローソク足の値動きの一例
画像4(ローソク足の値動き)
ローソク足は、始値・終値・高値・安値を示したもので、この4つのレートをつけたことしか分かりません。
しかしながら、対象のローソク足を見れば、ある程度の値動きを予測することが可能です。もちろん、複数の値動きのパターンがありますが、上の画像(画像4)で言えば、緑色の線で表示したように、始値から安値まで下がり、その後に高値を付けて終値まで落ちたと考えるのが自然です。
ローソク足の呼び方
ローソク足は、特定の期間の始値・終値・高値・安値を表したものです。この特定の期間の分数によって、ローソク足の呼び方が変わります。
ローソク足の呼び方は、「期間+足(あし)」というルールに基づきます。即ち、期間が15分間であれば15分足、期間が1時間であれば1時間足という呼び方をします。
期間 | MT4やMT5上の表記 | 時間足の名称(ふりがな) |
---|---|---|
1分 | M1 | 1分足(いっぷんあし) |
5分 | M5 | 5分足(ごふんあし) |
15分 | M15 | 15分足(じゅうごふんあし) |
30分 | M30 | 30分足(さんじゅっぷんあし) |
1時間 | H1 | 1時間足(いちじかんあし) |
4時間 | H4 | 4時間足(よじかんあし) |
1日 | D1 | 日足(ひあし) |
1週間 | W1 | 週足(しゅうあし) |
1ケ月 | M1 | 月足(つきあし) |
FXや仮想通貨におけるローソク足のパターンと分析
(画像5)ローソク足の種類
FXや仮想通貨のチャートに登場するローソク足は、いくつかの種類に分類できます。これらローソク足のパターンは、チャートから為替レートの値動きを予測する上で、重要な手がかりになります。
名称 | 特徴 | 分析 |
---|---|---|
大陽線 | ローソク足実体が長い陽線 | 買い勢力が相当強い。 |
大陰線 | ローソク足実体が長い陰線 | 売り勢力が相当強い。 |
下影陽線 | ローソク足実体が短く、長めの下ヒゲがある陽線 | 買い勢力がかなり強い。 安値圏で出現すると、上昇に転じる可能性がある。 |
下影陰線 | ローソク足実体が短く、長めの下ヒゲがある陰線 | 買い勢力が強いが、上値が重たい。 安値圏で出現すると、上昇に転じる可能性がある。 高値圏での出現はやや注意。 |
上影陽線 | ローソク足実体が短く、長めの上ヒゲがある陽線 | 売り勢力が強く、上値が重たい。 |
上影陰線 | ローソク足実体が短く、長めの上ヒゲがある陰線 | 売り勢力がかなり強い。 高値圏で出現すると、下落の危険性がある。 |
小陽線 | ローソク足の実体もヒゲも短い陽線 | 買い勢力の方がやや優勢だが、価格は収束している。 |
小陰線 | ローソク足の実体もヒゲも短い陰線 | 売り勢力の方がやや優勢だが、価格は収束している。 |
十字線 | ヒゲはあるが、ローソク足の実体が(ほぼ)ないもの | 買い勢力と売り勢力が拮抗している。 転換する可能性がある。 |
FXや仮想通貨は、ローソク足だけを見てトレードすることは、オススメしません。しかしながら、判断基準の1つとして、ローソク足を見ることは良いことだと考えます。
ローソク足以外の主なチャート
多くのFXトレーダー、仮想通貨トレーダーは、ローソク足を見てトレードしています。しかし、世界にはローソク足以外のチャートを見ている人たちもいます。
バーチャート
(画像6)バーチャート
主に欧米では、バーチャートと呼ばれる表示方法もよく使われます。ローソク足と同じように、始値・終値・高値・安値の4つの価格を表示することが可能です。上の画像(画像6)は、バーチャートで表示したチャートです。
慣れないと分かりにくいですが、欧米の著名トレーダーでバーチャートを用いている人もいますので、覚えておいて損はないです。
ラインチャート
(画像7)ラインチャート
ラインチャートと呼ばれるチャートも有名です。上の画像(画像7)において、緑色の折れ線部分が、ラインチャートになります。スマホの一部アプリでチャートを表示する際、ラインチャートがデフォルトの設定になっていることもあるので、見たことがある人もいるのではないでしょうか。
ラインチャートは、為替レートの推移を直感的に見ることができるという利点があります。しかしながら、ローソク足やバーチャートに比べて、情報量が少ないという欠点があります。そのため、ラインチャートは参考程度に使うことをおすすめします。
ローソク足の基本パターンに関する動画
youtubeチャンネル でもローソク足の基本パターンに関する動画を公開もしています。
この動画は、渋沢諭吉のFXノートのYasuが担当した動画です。動画内の著作権マークは旧ホームページの表記になっていますが、現在、動画の著作権は渋沢諭吉のFXノートに移管されています。
コメント
コメント一覧 (1件)
[…] ※ローソク足のヒゲや実体の意味については、画像2をご覧ください。また、「FXにおけるローソク足について」を事前に一読いただければ、ピンバーを理解する上での助けになるかと思い […]