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【FXの有名チャートパターンVol.2】ダブルトップとダブルボトムで利益を伸ばす手法

ダブルトップとダブルボトムのアイキャッチ画像

FXや仮想通貨トレードをする上で、重要なチャートパターンの中に、ダブルトップやダブルボトムと呼ばれる形があります。ダブルトップやダブルボトムは、FX初心者でも簡単に気がつくことができるチャートパターンです。このページでは、そのダブルトップ・ダブルボトムと利益の伸ばし方について解説します。

目次

FXにおけるダブルトップとは

ダブルトップのチャートパターンの画像

(画像1)ダブルトップのチャートパターン

ダブルトップとは、FXの有名なチャートパターンの1つで主に天井圏で発生しやすい性質を持っています。画像1において、最高値AとCが2回揃った状態がダブルトップで、アルファベットの「M」のような形をしたチャートを指します。

画像1において、AとCの間にあるBのレートも重要です。このBのレート(画像1の黄土色のライン)をネックラインと呼びます。

当サイトでは、AよりもCのレートが少し低いレートでも、ダブルトップとして扱います。

ダブルトップ根拠のエントリーポイント

ダブルトップのエントリーは、ネックラインをブレイクダウン(下抜け)した段階で、ショート(売り)のエントリーをします。ブレイクダウン直後にショート(売り)のエントリーをしても良いですが、画像1のようにネックラインのレジスタンス試しを確認した後に、ショート(売り)のエントリーをしても構いません。

ダブルトップ根拠の利益確定ライン

「ダブルトップの高値からネックラインまでの値幅」と同じ値幅だけ、ネックラインから下落したレートが、ダブルトップ根拠の利益確定ラインになります。

ダブルトップ根拠の損切りライン

ダブルトップの高値を上抜けしたら、損切りになります。

ダブルトップの形成メカニズム

ダブルトップ形成前の上昇トレンドの画像

(画像2)ダブルトップ形成前の上昇トレンド

A→C→Eに安値が切り上がり、B→D→Fに高値が切り上がっていることから、ダウ理論が根拠となり、画像2は上昇トレンド中であることが分かります。

ダブルトップ形成の直前の状態の画像

(画像3)ダブルトップ形成の直前の状態

画像3において、高値Dを上抜けした起点はEなので、Eよりも上のレート帯であれば上昇トレンド継続中です。しかし、画像3において、Gのレートをブレイクダウンすると少し事情が変わります。

ダブルトップ成立の画像

(画像4)ダブルトップ成立

画像4において、Gのレートをブレイクダウンすると、短期足を見ているFXトレーダーは下落トレンドだと考えます。長期足を見ているFXトレーダーは、利益確定をしようとするでしょう。これが、天井圏の可能性を示唆するダブルトップというチャートパターンなのです。

ダブルトップが発生している実際のFXチャート

ユーロ円1時間足のチャート(2023年6月~7月)の画像

(画像5)ユーロ円1時間足のチャート(2023年6月~7月)

画像5は、実際のFXチャート(ユーロ円1時間足)上で発生したダブルトップです。BとDの2つの高値があり、A・C・Eを結んだ赤色の水平線がネックラインです。T/P(利益確定ライン)にレートが綺麗に到達していることが割ります。

FXにおけるダブルボトムとは

ダブルボトムのチャートパターン画像

(画像6)ダブルボトムのチャートパターン

ダブルボトムとは、FXの有名なチャートパターンの1つで主に底値圏で発生しやすい性質を持っています。画像6において、最安値AとCが2回揃った状態がダブルボトムで、アルファベットの「W」のような形をしたチャートを指します。

画像6において、AとCの間にあるBのレートも重要です。このBのレート(画像1の黄土色のライン)をネックラインと呼びます。

当サイトでは、AよりもCのレートが少し高いレートでも、ダブルボトムとして扱います。

ダブルボトム根拠のエントリーポイント

ダブルボトムのエントリーは、ネックラインをブレイクアウト(上抜け)した段階で、ロング(買い)のエントリーをします。ブレイクアウト直後にロング(買い)のエントリーをしても良いですが、画像6のようにネックラインのサポート試しを確認した後に、ロング(買い)のエントリーをしても構いません。

ダブルボトム根拠の利益確定ライン

「ダブルボトムの安値からネックラインまでの値幅」と同じ値幅だけ、ネックラインから上昇したレートが、ダブルボトム根拠の利益確定ラインになります。

ダブルボトム根拠の損切りライン

ダブルボトムの安値を下抜けしたら、損切りになります。

ダブルボトムの形成メカニズム

ダブルボトム形成前の下降トレンド画像

(画像7)ダブルボトム形成前の下降トレンド

A→C→Eに高値が切り下がり、B→D→Fに安値が切り下がっていることから、ダウ理論が根拠となり、画像7は下降トレンド中であることが分かります。

ダブルボトム形成の直前の状態の画像

(画像8)ダブルボトム形成の直前の状態

画像8において、安値Dを下抜けした起点はEなので、Eよりも下のレート帯であれば下降トレンド継続中です。しかし、画像8において、Gのレートをブレイクアウトすると少し事情が変わります。

ダブルボトム成立の画像

(画像9)ダブルボトム成立

画像9において、Gのレートをブレイクアウトすると、短期足を見ているFXトレーダーは上昇トレンドだと考えます。長期足を見ているFXトレーダーは、利益確定をしようとするでしょう。これが、底値圏の可能性を示唆するダブルボトムというチャートパターンなのです。

ダブルトップが発生している実際のFXチャート

ゴールド4時間足のチャート(2023年2月~3月)の画像

(画像10)ゴールド4時間足のチャート(2023年2月~3月)

画像10は、実際のチャート上で発生したダブルボトムです。BとDの2つの安値があり、A・C・Eを結んだ水平線がネックラインになります。T/P(利益確定ライン)まで、綺麗に到達していることが分かります。

ダブルトップとダブルボトムのFXにおける取り扱いパターンについて

ダブルトップとダブルボトムのパターンの画像

(画像11)ダブルトップとダブルボトムのパターン

画像11の通り、ダブルトップには、同値型ダブルトップと高値切り下げ型ダブルトップがあります。また、ダブルボトムには、同値型ダブルボトムと安値切り上げ型ダブルボトムがあります。どちらも性質は同じです。

高値切り上げ型もダブルトップ、安値切り下げ型もダブルボトムとして扱うFXトレーダーもいますが、当サイトでは、後述の理由により、これらをダブルトップ・ダブルボトムとしては扱いません。

高値切り下げ型ダブルトップと安値切り上げ型ダブルボトム

斜めネックラインの傾向の画像

(画像12)斜めネックラインの傾向

ダブルトップとダブルボトムのネックラインは、水平線だけではなく、斜線の場合もあります。高値切り下げ型ダブルトップの場合、ネックラインは右肩上がりになりやすい傾向にあります。また、安値切り下げ型ダブルボトムの場合、ネックラインは右肩下がりになりやすい傾向にあります。

高値切り上げ型をダブルトップとして扱わない理由

高値切り上げ型は、2つの高値間で高値更新をしており、2つ目の高値(高値更新した後の高値)でショート(売り)のエントリーをすると、完全な逆張りになるためエントリーしにくい事情があります。また、高値更新した状態では、ヘッド&ショルダーの可能性もあり、2つ目の高値で判断しにくい状況が生まれます。従って、当サイトでは高値切り上げ型をダブルトップとして扱いません。

安値切り下げ型をダブルボトムとして扱わない理由

安値切り下げ型は、2つの安値間で安値更新をしており、2つ目の安値(安値更新した後の安値)でロング(買い)のエントリーをすると、完全な逆張りになるためエントリーしにくい事情があります。また、安値更新した状態では、リバースヘッド&ショルダーの可能性もあり、2つ目の安値で判断しにくい状況が生まれます。従って、当サイトでは安値切り下げ型をダブルボトムとして扱いません。

ダブルトップ・ダブルボトムを用いてFXの利益を伸ばす方法

ダブルトップやダブルボトムを使って、FXの利益を伸ばす方法を4つ紹介します。FXの教科書通りのエントリー手法、利益確定ラインを実践トレード向きにカスタムした手法になります。

【利益の伸ばし方その1】フィボナッチ・リトレースメントを使う

ユーロ円1時間足のチャート(2023年6月~7月)の画像

(画像13)ユーロ円1時間足のチャート(2023年6月~7月)

画像13は、ダブルトップ形成後のT/P(利益確定ライン)に、フィボナッチ・リトレースメントを適用させたチャートです。161.8%、261.8%、361.8%全てにレートが到達していることが分かります。本来の利益確定ラインは200%の位置になるため、フィボナッチ・リトレースメントを使えば、利益を伸ばすことができます

ゴールド4時間足のチャート(2023年2月~3月)画像

(画像14)ゴールド4時間足のチャート(2023年2月~3月)

画像14は、ダブルボトム形成後のT/P(利益確定ライン)に、フィボナッチ・リトレースメントを適用させたチャートです。261.8%、361.8%、423.6%全てに到達しており、この場合はかなり利益を伸ばせる事例になります。

【メリット】リスク:リワード(損切りまでの値幅:利益確定までの値幅)が良くなる点。

【デメリット】フィボナッチ・リトレースメントのどの数値を使用するか、判断に迷う点。T/P(利益確定ライン)まで到達しない可能性がある点。

【利益の伸ばし方その2】斜めネックラインの値幅が大きい利益確定ラインを採用する

角度が浅い斜めネックラインの画像

(画像15)角度が浅い斜めネックライン

画像15は、BとDが高値で、A・C・Eを結んだ斜線がネックラインである、ダブルトップのチャートです。この場合、T/P(利益確定ライン)は、「BC間の値幅」と同じ値幅だけ「Cから下のレート」のT/P(1)、「BA間の値幅」と同じ値幅だけ「Aから下のレート」のT/P(2)に設定できます。T/P(2)を採用すれば、利益を伸ばすことができます。

角度を少しつけた斜めネックラインの画像

(画像16)角度を少しつけた斜めネックライン

画像16のチャートは画像15と同じですが、斜めネックラインの引き方が異なります。この斜めネックラインの引き方をすると、T/P(1)もT/P(2)も、画像15より利益を伸ばすことができます

角度を急にした斜めネックラインの画像

(画像17)角度を急にした斜めネックライン

画像17のチャートは画像15や画像16と同じですが、斜めネックラインの角度が更に急になりました。この場合、特にT/P(2)の利益が伸びたことが分かります。複数のパターンのネックラインが引ける場合は、利益が伸ばせる可能性があります。

【メリット】リスク:リワード(損切りまでの値幅:利益確定までの値幅)が良くなる点。

【デメリット】斜めネックラインの引き方を見誤る可能性がある点。

【利益の伸ばし方その3】2つ目の高値もしくは2つ目の安値付近でエントリーをする

ダブルトップ形成中のエントリー法の画像

(画像18)ダブルトップ形成中のエントリー法

ダブルトップ形成中の2つ目の高値で、ショート(売り)のエントリーをします。必須条件は以下の3条件ですが、その他に「弱気なローソク足の形状を取っている場合」や「RSIの数値が70に近い場合orRSIのレジスタンスに到達している場合」という条件を満たしていると、更に良いです。

上位足のレジスタンスがある場合。

1つ目の高値と同じレート、もしくは1つ目の高値よりも安いレートである場合。

下位足が下降トレンドに変わった場合。

ダブルボトム形成中のエントリー法の画像

(画像19)ダブルボトム形成中のエントリー法

ダブルボトム形成中の2つ目の安値で、ロング(買い)のエントリーをします。必須条件は以下の3条件ですが、その他に「強気なローソク足の形状を取っている場合」や「RSIの数値が30に近い場合orRSIのサポートラインに到達している場合」という条件を満たしていると、更に良いです。

上位足のサポートラインがある場合。

1つ目の安値と同じレート、もしくは1つ目の安値よりも高いレートである場合。

下位足が上昇トレンドに変わった場合。

【メリット】リスク:リワード(損切りまでの値幅:利益確定までの値幅)が良くなる点。

【デメリット】ダブルトップ、ダブルボトム形成前のエントリーになるため、ネックラインを突破せずに、ダブルトップ、ダブルボトムが成立しない場合がある点。

【利益の伸ばし方その4】移動平均線との位置関係でエントリーする

ダブルトップと75EMAの画像

(画像20)ダブルトップと75EMA

画像20は、下降トレンド中にダブルトップを形成しようとしている2つ目の高値を指します。2つ目の高値が、上位足の75EMA(指数平滑移動平均線)に接触している状態の場合、ダブルトップ成立の確率がとても上がるため、2つ目の高値でショート(売り)のエントリーをします。

ダブルボトムと75EMAの画像

(画像21)ダブルボトムと75EMA

画像21は、上昇トレンド中にダブルボトムを形成しようとしている2つ目の安値を指します。2つ目の安値が、上位足の75EMAに接触している状態の場合、ダブルボトム成立の確率がとても上がるため、2つ目の安値でロング(買い)のエントリーをします。

【メリット】順張りの押し目を狙うので、ダブルトップ・ダブルボトム成立の確率は上がる点。

【デメリット】押し目判定が、上位足の75EMAではない場合がある点。

FXにおけるダブルトップ・ダブルボトムの手法

ダブルボトムの具体的な手法の画像

(画像22)ダブルボトムの具体的な手法

FXの教科書通りではない、実践向きのダブルトップ・ダブルボトムのトレード手法を紹介します。ダブルボトムに絞って解説しますが、ダブルトップは上下逆なだけだとお考えください。

実践向きのエントリー

上記の【利益の伸ばし方その3】と【利益の伸ばし方その4】をエントリーで採用します。S/L(損切り)ラインまでの値幅を小さくすることで、リスクを極限まで減らすことを目的とします。

画像22を例にしてみれば、「ロング」と書かれたポイントでエントリーします。すぐ近くに上位足のサポートラインがあるので、【利益の伸ばし方その3】を根拠にしたエントリーになります。

実践向きの利益確定ライン

教科書通りのT/P(利益確定ライン)で、保有ポジションの半分を利益確定します。画像22においては、「通常のT/P」部分になります。

残り半分のポジションは、【利益の伸ばし方その1】と【利益の伸ばし方その2】を利益確定ラインとして採用します。リワードを伸ばすことが目的です。【利益の伸ばし方その1】のフィボナッチ・リトレースメントの比率を使う際、T/Pが重要なサポート・レジスタンスより先にあれば、その手前になるようにします。

画像22において、261.8%はCのレジスタンスより安いレートなので問題ありません。423.6%もAのレジスタンスより安いレートなので問題ありません。しかし、361.8%は、Bのレジスタンスとほぼ同じレートなので、T/Pを361.8%より少しだけ安いレートに変更し、T/Pに到達しやすいように調整するのです。

ダブルトップとダブルボトムのフラクタル構造

FXのチャートでは、チャートパターンのフラクタル構造(一部の構造が全体の構造と同じ形状になること)を持つことが多々あります。ダブルトップやダブルボトムも例外ではありません。

ゴールド4時間足で生じたダブルボトムの画像

(画像23)ゴールド4時間足で生じたダブルボトム

画像23は、BとDを安値としたダブルボトムで、A・C・Eがネックラインになります。

ゴールド1時間足のフラクタル構造のチャート画像

(画像24)ゴールド1時間足のフラクタル構造

画像24は、画像23のDの箇所を拡大したチャートになります。すると、ここでもダブルボトムが発生していたことが分かります。つまり、画像23のDを少し過ぎた付近の時間帯で、フラクタル構造を根拠にすれば、ダブルボトム形成を予測することが可能になるのです。

ダブルトップ・ダブルボトムの否定

ダブルトップを形成しようとするが成立せず、ダブルトップの高値を更新することをダブルトップの否定と言います。逆に、ダブルボトムを形成しようとするが成立せず、ダブルボトムの安値を更新することをダブルボトムの否定と言います。否定が確定した起点は、強いサポート・レジスタンスになります。また、否定された方向に、ダブルトップやダブルボトムの値幅と同じだけ進みます

ダブルトップの否定

上昇トレンド中のダブルトップの否定の画像

(画像25)上昇トレンド中のダブルトップの否定

画像25は、上昇トレンド中にダブルトップの否定が入った事例です。このダブルトップの否定は、上昇レクタングルと同義です。

下降トレンド中のダブルトップの否定の画像

(画像26)下降トレンド中のダブルトップの否定

画像26は、下降トレンド中にダブルトップの否定が入った事例です。この場合のダブルトップの否定は、トリプルボトムの形成を意味します。

ダブルボトムの否定

下降トレンド中のダブルボトムの否定の画像

(画像27)下降トレンド中のダブルボトムの否定

画像27は、下降トレンド中にダブルボトムの否定が入った事例です。このダブルボトムの否定は、下降レクタングルと同義です。

上昇トレンド中のダブルボトムの否定の画像

(画像28)上昇トレンド中のダブルボトムの否定

画像28は、上昇トレンド中にダブルボトムの否定が入った事例です。この場合のダブルボトムの否定は、トリプルトップの形成を意味します。

ダブルトップ・ダブルボトムに関するFXの動画


【FXや仮想通貨のチャートパターンVol.2】ダブルトップ・ダブルボトム

youtubeチャンネル でもダブルトップ・ダブルボトムに関する動画を公開もしています。

この動画は、渋沢諭吉のFXノートのYasuが担当した動画です。

ダブルトップ・ダブルボトム以外のFXチャートパターン一覧

FXで使えるチャートパターン一覧を学びたい場合は、以下をご覧ください。

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