FXや仮想通貨のチャートパターンの中に、アセトラ(アセンディング・トライアングル)とディセトラ(ディセンディング・トライアングル)と呼ばれるチャートパターンがあります。アセトラもディセトラも、三角持ち合いの値動きの一種。長期足、短期足問わずに発生しやすい非常に重要なチャートパターンです。このページでは、アセトラとディセトラのチャートパターン、エントリーポイント、利益確定ライン、損切りライン、そして移動平均線も考慮した考え方について詳しく解説します。
アセトラ(アセンディング・トライアングル)とは
(画像1)アセトラ(アセンディング・トライアングル)
画像1をご覧ください。高値が同じレートで押さえつけられており、安値が徐々に切り上がっていて、高値同士、安値同士を直線で結ぶと、直角三角形になるFXのチャートパターンをアセンディング・トライアングルと呼びます。
(画像2)アセトラ(アセンディング・トライアングル)のエントリーポイント
アセトラは、FXや仮想通貨のチャートでよく発生するチャートパターンです。主にレジスタンスや底値で発生しやすく、長期足でも短期足でも頻繁に発生します。下記の通り、高値である水平線を上抜けするとアセトラ成立になりますが、アセトラ形成段階から、高値ブレイクする確率は比較的高いという特徴があります。そのため、アセトラ形成中に、逆張りエントリーは絶対にオススメしません。
アセトラ根拠のエントリーポイント
(画像3)アセトラ(アセンディング・トライアングル)のサポート試し
高値である水平線をブレイクアウト(上抜け)したら、ロング(買い)のエントリーをします。FXにおいては、アセトラを形成する時間が長いと、ブレイクアウト後に一気に上昇することがありますが、多くの場合、その水平線のサポートラインを試しにくる値動きがあります。そのため、画像3のように、サポート試しを確認してから、ロング(買い)のエントリーをしても構いません。
アセトラ根拠の利益確定ライン
(画像4)アセトラ(アセンディングトライアングル)の利益確定ラインと損切りライン
アセトラは直角三角形を形成します。「その直角三角形の高さ(画像4で言えば左辺)に当たる値幅」と同じ値幅だけ、ブレイクアウト後に上昇したレートが、利益確定ラインになります。
アセトラ根拠の損切りライン
画像4において、高値である水平線をブレイクアウトする起点を作ったレートはXです。そのレートを下に割ったレートが、損切りラインになります。
アセトラの実際のFX・仮想通貨のチャート
(画像5)イーサリアムとアセトラ(アセンディングトライアングル)
画像5は、ETH/USDTの4時間足のチャートです。赤色の水平線で押さえつけられていたレートが、ブレイクアウトすることで、アセトラが成立しました。その後、イーサリアムのレートは上昇し、T/P(利益確定ライン)に綺麗に到達していることが分かります。
(画像6)ユーロ円とアセトラ(アセンディングトライアングル)
画像6は、ユーロ円4時間足のチャートです。ユーロ円のレートが大きく下落し、アセトラを形成していることが分かります。このような底値(上位足で見れば押し目)でも、アセトラは発生します。このチャートもT/P(利益確定ライン)まで到達しています。
アセトラの否定
(画像7)アセトラ(アセンディングトライアングル)の否定
画像7は、ユーロ円の1時間足チャートです。アセトラを形成しようとしましたが、高値である水平線をブレイクアウトできず、直角三角形の斜辺を下抜けしました。それが、画像7で赤色の丸で囲んだ部分です。このような状態を、アセトラの否定と言います。アセトラの否定が起きると、直角三角形の高さ(画像7でいう左辺)と同じ値幅だけ、レートは下落しやすい傾向があります。
移動平均線を使ったアセトラの否定や騙しの判断法
(画像8)アセトラ(アセンディングトライアングル)と移動平均線
画像8はアセトラが成立したチャートです。このチャート内に、赤色の曲線で表した20EMA(指数平滑移動平均線)と、青色の曲線で表した75EMAを表示しました。ここで注目したいことは、ブレイクアウトの際に、20EMAの方が75EMAよりも上にあるということ。付け加えると、20EMAよりも実際のレートの方が上になります。アセトラ成立時は、移動平均線の並び順を見ると、アセトラの騙しブレイクを判断することが可能です。
(画像9)アセトラ(アセンディングトライアングル)の否定と移動平均線
画像9はアセトラの否定が発生したチャートです。このチャート内に、赤色の曲線で表した20EMAと、青色の曲線で表した75EMAを表示しました。ここで注目したいことは、アセトラ否定の際に、20EMAの方が75EMAよりも下にあるということ。付け加えると、20EMAよりも実際のレートの方が下になります。アセトラの否定が起きる場合は、移動平均線の並び順を見ると、アセトラの抵抗線(斜線)の訂正が発生しているのか、アセトラの否定なのかを判断できます。
ディセトラ(ディセンディング・トライアングル)とは
(画像10)ディセトラ(ディセンディング・トライアングル)
画像10をご覧ください。安値が同じレートで買い支えられており、高値が徐々に切り下がっていて、高値同士、安値同士を直線で結ぶと、直角三角形になるFXのチャートパターンをディセンディング・トライアングルと呼びます。
ディセトラは、FXや仮想通貨のチャートでよく発生するチャートパターンです。主にサポートラインで発生しやすく、長期足でも短期足でも頻繁に発生します。下記の通り、安値である水平線を下抜けするとディセトラ成立になりますが、ディセトラ形成段階から、安値ブレイクする確率は比較的高いという特徴があります。そのため、ディセトラ形成中に、逆張りエントリーは絶対にオススメしません。
ディセトラ根拠のエントリーポイント
(画像11)ディセトラ(ディセンディング・トライアングル)のエントリーポイント
安値である水平線をブレイクダウン(下抜け)したら、ショート(売り)のエントリーをします。FXにおいては、ディセトラ確定時のブレイクダウン後は一気に下落することが多いので、すぐにエントリーすることを推奨します。
ディセトラ根拠の利益確定ライン
(画像12)ディセトラ(ディセンディングトライアングル)の利益確定ラインと損切りライン
ディセトラは直角三角形を形成します。「その直角三角形の高さ(画像12で言えば左辺)に当たる値幅」と同じ値幅だけ、ブレイクダウン後に下落したレートが、利益確定ラインになります。
ディセトラ根拠の損切りライン
画像12において、安値である水平線をブレイクダウンする起点を作ったレートはXです。そのレートを上抜けしたレートが、損切りラインになります。
ディセトラの実際のFX・仮想通貨のチャート
(画像12)ビットコインとディセトラ(ディセンディングトライアングル)
画像12は、BTC/USDTの日足チャートです。赤色の水平線で買い支えられていたレートが、ブレイクダウンすることで、ディセトラが成立しました。その後、ビットコインのレートは下落し、T/P(利益確定ライン)に綺麗に到達していることが分かります。この日足チャートでは、巨大なディセトラが形成されていますが、XからYまでの期間でのディセトラも形成されています。
(画像13)イーサリアムとディセトラ(ディセンディングトライアングル)
画像13は、ETH/USDTの4時間足チャートです。イーサリアムの下落中に、ディセトラを形成していることが分かります。このように、下落途中で形成されるディセトラは、安値へのタッチが極端に少ないことがあり、ディセトラであると判別しにくいので、ご注意ください。このチャートもT/P(利益確定ライン)まで到達しています。
ディセトラの否定
(画像14)ディセトラ(ディセンディングトライアングル)の否定
画像14は、ETH/USDTの4時間足チャートです。ディセトラを形成しようとしましたが、安値である水平線をブレイクダウンできず、直角三角形の斜辺を上抜けしました。それが、画像14で赤色の丸で囲んだ部分です。このような状態を、ディセトラの否定と言います。ディセトラの否定が起きると、直角三角形の高さ(画像14でいう左辺)と同じ値幅だけ、レートは上昇しやすい傾向があります。
動平均線を使ったアセトラの否定や騙しの判断法
(画像15)ディセトラ(ディセンディングトライアングル)と移動平均線
画像15はディセトラが成立したチャートです。このチャート内に、赤色の曲線で表した20EMAと、青色の曲線で表した75EMAを表示しました。ここで注目したいことは、ブレイクダウンの際に、20EMAの方が75EMAよりも下にあるということ。付け加えると、20EMAよりも実際のレートの方が下になります。ディセトラ成立時は、移動平均線の並び順を見ると、ディセトラの騙しブレイクを判断することが可能です。
(画像16)ディセトラ(ディセンディングトライアングル)の否定と移動平均線
画像16はディセトラの否定が発生したチャートです。このチャート内に、赤色の曲線で表した20EMAと、青色の曲線で表した75EMAを表示しました。ここで注目したいことは、ディセトラの否定の際に、20EMAの方が75EMAよりも上にあるということ。付け加えると、20EMAよりも実際のレートの方が上になります。ディセトラの否定が起きる場合は、移動平均線の並び順を見ると、ディセトラの抵抗線(斜線)の訂正が発生しているのか、ディセトラの否定なのかを判断できます。
(画像17)騙しの値動き
画像17をご覧ください。ディセトラ形成中に、ディセトラ否定の騙しの値動きが発生したチャートになります。ここで注目すべきことは、移動平均線の位置です。75EMA(青色の曲線)よりも20EMA(赤色の曲線)の方が下にあるので、この急騰は騙しの値動きであることが分かります。
アセトラやディセトラに関するFXの動画
youtubeチャンネル でもチャートパターンに関する動画を公開もしています。
アセトラやディセトラ以外のFXチャートパターン一覧
FXで使えるチャートパターン一覧を学びたい場合は、以下をご覧ください。
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